保険の転換(下取り)はデメリットが大きい?見直しで転換を避けるべき理由とは

保険 転換

保険の転換とは、現在加入している保険を下取りして新しい保険に入ることですが、実はこの行為には大きなデメリットが潜んでいます。今回は、保険の転換を避けるべき理由を、デメリットをもとに説明します。

つか夫

ねぇ、節子。
保険の転換ってさ、新しい保険を勧めてくるわけだから、今の保険より良い保険になるってことだよね?

節子

それがですね、実際は新しい保険に加入して損することが多いですね……。

つか夫

えっ。

節子

保険の転換には、保険会社の大人の事情がふんだんに詰め込まれているので……。

つか夫

ふぁ!?
なにその大人の事情って……。

節子

知りたいですか?
教えても良いですが、後悔しても知りませんよ?もう後戻りできませんよ?うふふ。

つか夫

節子さん、目が笑ってないので怖いです。

1.そもそも保険の転換(下取り)ってどんな仕組み?

保険 転換 仕組み

つか夫

そもそも保険の転換ってのが良くわからないんだけど……。

保険の転換とは、現在加入している保険を下取りして、新しい保険に加入することですね。保険の業界では「転換」も「下取り」も同じ意味合いで使われるようです。

つか夫

あー、なるほど。
車で例えると、今乗っている車を売って、そのお金を新しく買う車の料金にあてがうことだね。

その通りです。具体的には、加入している保険を解約して、その解約返戻金を新しい保険の保険料の一部に充てる感じです。解約返戻金の分だけ新しい保険の保険料が少なくなるという仕組みになっていますね。このような仕組みになっているので、転換をすれば次の保険の保険料が安くなるって言われているんですよ。

つか夫

あー、確かに保険を転換すると次に入る保険の保険料が安くなってお得ですよって、昔保険の営業員が言っているのを聞いたような……。
あれ、でもさ解約返戻金って、そもそも自分の懐に入ってくるお金なわけで、そのお金を新しい保険の保険料の一部に充てるわけだから……。
んーちょっと混乱してきた。本当に新しい保険の保険料って安くなってお得なの?

実はそこが落とし穴なんですね。新しい保険の保険料を安く見せているだけで、実際は1円も安くなっていませんよ。だからお得でも何でもないですね。むしろ、保険は早い段階で解約すると解約返戻金が元本割れしますので、損します。

つか夫

やっぱり……。
安く見せかけているだけなんだね。

このことを踏まえた上で、保険の転換を避けるべき理由を詳しく説明しますね。

2.保険の見直しで転換を避けるべき理由とは?

保険 転換 デメリット

保険の転換の仕組みを確認したところで、保険の転換を避けるべき理由について詳しく見ていきましょう。

2-1.デメリット①:保険の予定利率が低くなる

予定利率とは、運用利回りのことです。簡単にいうと、予定利率が高ければ高いほど、支払う保険料が安くなり、受け取る解約返戻金や満期保障金は増えるんですよ。なので、予定率が高い方が私たちにとってはお得というわけですね。

生命保険の契約時期が1985年4月〜1990年3月の場合、予定利率の最高は6.25%という今では想像もできない高利率でしたが、今現在の予定利率は1.00%〜1.60%という低い利率になっています。

新しい保険は低利率なので、昔の保険から転換すると損をしてしまうんですよ。

2-2.デメリット②:転換で勧められる保険商品の質が悪い

転換で勧められる保険商品の質が悪い原因はハッキリしていて、転換制度のある保険会社の主力商品が、ほとんど「アカウント型保険」あるいは「定期保険特約付終身保険」であり、それらに転換させられるからです。

これらの保険は、終身保険とうたいながら保険料を支払い終わった時から保障金額が100~200万円と極端に少なくなったり、ろくな老後資金が貯められないのに保険料ばかりかさんで終身保障が何もなかったりします。あまり加入したくないものですね。

2-3.デメリット③:本来入るべき解約返戻金が保険会社に流される

保険の転換は、実際は自分の懐に入ってくる解約返戻金を使って、新しい保険の保険料の一部に充てています。私たちが受け取るべき解約返戻金がそのまま保険会社に流されてしまうんです。

しかも、あらかじめ本来支払うべき保険料から解約返戻金を差し引いた額を、新しい保険の保険料として提示していますので、保険料が安いように見えますが、保険料そのものが安くなっているわけではありません

3.生命保険会社が転換を勧めてくる裏の理由

生命保険会社 転換 理由

つか夫

知れば知るほど保険の転換ってデメリットが大きいじゃないか……。
生命保険会社はどうしてそんな転換を僕たちに勧めてくるのさ?

私たちのためになりますよー、と表では良いことを言って勧めてきますが、転換を勧めてくるのには、実は裏の理由があります。

3-1.保有契約件数を維持できる

高利率の契約をたくさん抱えた保険会社は、景気と経済の低迷で約束した利率が稼げず、不足分は自分の懐で補てんしなければならなくなりました。これを「逆ザヤ」といいます。要は、会社が儲からなくなったんですよ。

保険会社は逆ザヤを解消するために、高利率時代の契約を止めさせるか、低い利率の契約に取り替えさせることをしています。

契約を止めさせてしまいますと保険会社の保有契約件数が減ってしまいますが、転換させれば、予定利率の低い保険にさせることができる上に、保有契約件数に影響はなくなります

3-2.予定利率の低い保険にさせられる

契約時期が1985年を境に、予定利率が右下がりであるため、現在の低い予定利率1.00%の契約に転換させれば、ほとんどの会社は万々歳ですね。

昔の高い利率の保険では、保険会社は利益が出ません。それを避けるために利率の低い保険に転換させようとするんです。

何も知らない保険加入者は、「昔の保険よりも今の保険の方が良いよね」なんて思ってしまい、まんまと質の悪い保険に変えさせられるというわけで。

つか夫

でもさ、保険を転換して保障内容の良いものになるんだったら、それはそれでありじゃないかな?

もちろん、以前よりも保障内容がしっかりした保険に転換できるのであれば良いと思います。ですが先程も説明した通り、たいがい転換時に勧められる保険は利率が低く、保障内容の質も悪い「アカウント型保険」や「定期保険特約付終身保険」です。

これらの保険は生命会社が儲かるためにできた保険といっても過言じゃないので、加入しないことをおすすめします。

3-3.継続して保険料を徴収できる

転換は、本来は加入者の懐に入るべき解約返戻金を使って、新しい保険の保険料に充てるものです。保険会社から見たら、解約返戻金という余計な出費を減らせる上、新しい保険に加入させるのでこれからも継続して保険料を徴収することができるという、まさに美味しい話なんですよ。

解約返戻金はそもそも加入者のお金です。自分の懐に入ってくるべきものなんです。保険会社からしたら、出費そのものですね。なので、できる限りこのお金を手放したくない、というのが保険会社の本音なんです。

4.保険を見直す時はできる限り転換を避けよう

保険 見直し 転換 避けるべき

生命保険は、基本的に「新しい・古い」で良し悪しは決まりません。軸となる生命保険に特約をどう組み合わせるか、保障の幅をどのように広げるか、運用をどのように盛り込むか、などの要素が重要なんです。

ほとんどの場合、転換をしても保険の内容は良くなりません。保険を見直すときは、できる限り転換は避けましょう

もしも保険会社に転換を勧められたら、加入している保険と勧めてきた保険の予定利率を聞いてみましょう。比較してみれば、いかに保険会社が儲けようとしているのかがわかりますよ。

営業員が、勧めてきた保険の予定利率を即答できないようなら、その人から保険は入らない方が良いです。そんな人が勧める保険なんて、信用できませんからね。

5.まとめ

  • 保険の転換とは、現在加入している保険を下取りして新しい保険に加入すること
  • 保険の見直しで転換を避けるべき理由
    • 保険の予定利率が低くなる
    • 転換で勧められる保険商品の質が悪い
    • 本来は手元に戻ってくる解約返戻金が保険会社に流される
  • 生命保険会社が転換を勧めてくる裏の理由
    • 保有契約件数を維持できる
    • 予定利率の低い保険にさせられる
    • 継続して保険料を徴収できる
  • 保険の転換は、私たちにとってお得ではないので避けるのが賢明
つか夫

まさか保険会社がそんな思惑で保険の転換を勧めてきてたなんて……。
なんかショックだな……。

節子

営業員の中には、純粋に転換が私たちにとってお得だと考えていて、それで勧めてきている場合もあると思います。
ですが、仕組み的には会社本位のものになっているのが事実。
まぁ、保険会社だって慈善事業ではないので、利益を追及しないとやっていけませんからね。

つか夫

しょうがない話なのかなー……?