生命保険の加入時に、告知や申告をごまかす人は意外と多くいます。その行為で結果的に自分自身が損をするとは知らずに……。今回は、生命保険の告知義務を違反するとどうなるのかについて、詳しく見ていきましょう。
それなら黙っていればいいのになー、どうせばれないでしょ。
今すぐその考えを捨てたほうが良いですよ。
意外とみんなやってるんじゃないの?
けど、そういった人は損をする結果になっていますけどね……。
もしかして、僕かなり甘い考えだった?
その考えを捨ててもらうために、生命保険の告知義務を違反するとどうなるのか、教えてあげますね。
1.生命保険にはどうして告知義務があるの?
生命保険における告知・申告とは、保険に加入する前に過去の病歴や現時点での体調不良などを保険会社に伝えることですが、そもそもなぜ告知・申告をしなきゃいけないか分かりますか?
半分正解です。
もう半分の正解は、生命保険に加入している他の人たちに保障が行き届かなくなるから、ですね。
生命保険は、加入者全体の保険料から保険金がまかなわれるものです。過去に何らかの病歴がある人や、今現在具合の悪い人は、いってしまえばリスクの高い人ですよね?そういった人たちが告知や申告をごまかして入ってしまうと、加入者みんなで支払ったお金から、保険金がどんどん出て行く可能性が高くなります。そうすると、徴収した保険料だけでは支払う保険金をまかなえなくなり、最悪の場合、保険会社が倒産してしまいす。会社が倒産してしまえば、会社の利益も、加入者の保障も、どちらもカバーできなくなりますよね?
ですから、生命保険に加入する前に、告知や申告をしてもらい、リスクの高い人には加入を断ったり、条件を付けたりして均衡を保とうとするんです。
こういっちゃなんだけど、死亡する可能性が高い人をばんばん入れて、実際に生命保険に加入してからすぐに亡くなっちゃたりっていうのが続いたら、保険会社だってお金を用意しきれないよね……。
はい。なので、生命保険に加入する際は、告知や申告が義務付けられているんですよ。
2.告知義務を違反するとどうなる?
保険金・給付金を請求した時に、支払いを拒否される可能性が高いですね。場合によっては、それまで納めていた保険料が没収されることもありますよ。
生命保険会社は、人が保険に加入する際に、加入者の契約内容などを生命保険協会に登録する仕組みになっています。そして、加入者が保険金・給付金を請求してきた時に、登録したデータをもとに支払査定時照会制度によって照会し、他社に支払い経歴があったかどうかなど、厳密な調査や審査をするんですよ。
つまり、告知で虚偽の申告をした契約だと、「正当なる不払い」とみなされお金がもらえなくなる可能性が出てくる、というわけですね。
保険加入時だけじゃなく、保険金・給付金が請求された時も調査や審査をされるんだ……。
はい。ですから、加入さえしてしまえば後はなんとかなるだろう、という考えは危ないんです。せっかく保険料を支払っていたのに、ちゃんと申告をしなかったからという理由で保険金・給付金がもらえないのは嫌ですよね?なおかつ、支払った保険料まで徴収されてしまったら、もう損どころの話じゃありませんよ。
ちなみに、告知が厳しい保険会社は、信頼に足る会社だといわれています。誰でも簡単に入れる保険だと、支払い時の審査が厳しくなりますが、逆に加入時の告知や診査が厳しければ、支払いはスムーズに行われるからですね。
入り口の広い保険は出口が狭く、入り口の狭い保険は出口が広い、このことを覚えておきましょう。
3.生命保険の加入時に気をつけたい症状!
生命保険の告知義務について説明したところで、今度は加入時に気をつけたい症状を説明していきたいと思います。
告知義務は、過去の病歴だけではなく現時点での体調不良も対象になっています。実際にどういった症状だと、加入にマイナスな影響を与えるのかを、具体的に見ていきましょう。
3-1.風邪
保険加入時に風邪を引いていたら、治るまで待った方が良いです。保険会社は、重大な病気の初期症状になりうる風邪を、とても嫌う傾向があります。
もしも加入時に風邪を引いていると、「延期体」といって、現在の症状が完治してから再度申し込んでくださいということになってしまいますよ。
告知の義務は、加入時の体調不良も対象になっていますので、ごまかして入った場合に、万が一その風邪が原因で保障を受けることになってしまうと、調査でバレる可能性が高いです。
生命保険に限らず、どの保険に加入するにしても、さまざまな手続きがあるので手間と時間がかかりますよね?手間と時間をかけたのに、結局告知の義務を違反したからといって保険金・給付金は支払われないのでは、全てがムダになってしまいます。
なので、たかが風邪とは思わずに、しっかりと完治させてから加入するようにしましょう。
風邪を引いていることを告知したら、どうせ加入させてもらえませんからね。無理に申し込もうとすると、最悪の場合は謝絶されてしまいますよ。
ちなみに、営業員の中に「風邪ぐらい黙っていればばれませんよ」と、自分の成績の都合で契約を急がせる人もいるようです。そういった私達の幸福よりも自分のことばかり考えている保険会社の人とは、関わらないのが一番ですよ。結果的に自分が損をしてしまっては意味がありませんからね。
3-2.高血圧
高血圧も、保険加入時に気をつけたい症状のひとつです。
血圧が高めな人が保険に入ろうとする時、以前から高めなのに「最近寝不足と疲れがたまっているから、急に血圧が高くなったんですよ。」と高血圧を一時的なものだと強調する人は結構多いです。本人からすれば、しばらくすれば低くなるだろうし危険はない、と主張したいのでしょうね。
ですが、この場合だと高確率で謝絶されます。保険会社からすると、一過的に血圧が高くなったのだとしても、「高くなった原因が特定できないし、血圧が低下する傾向がないんじゃこれからどう変化するかわからなくて危険だ。」と判断されてしまうからですね。
かなり前から血圧が高くても、いつから高くなったのかがちゃんとわかっていて、なおかつ医師の指示通りに降圧剤などを服用して健康管理がしっかりできていれば、健常者と同じ無条件で生命保険に入ることができます。なので、嘘の告知は避けるようにしましょう。
3-3.過労
生命保険の世界では、過労は自殺につながる症状としてとても嫌われています。なので、生命保険に加入する際、過労気味である場合は、しっかりと療養してから加入するようにしましょう。
過労の症状を告知すると謝絶される可能性が高く、告知をごまかして入ると後々保障を受けられなくなることも十分にありえます。
どちらにしても、損をするのは自分自身。生命保険の加入を考えているのなら、過労には気をつけましょう。
4.こんな症状も要注意!
うつや過度の睡眠不足、更年期障害に喘息の症状がある人も、要注意です。
この4つは、どれも自殺につながる恐れがあると保険会社は考え、保険加入を拒む傾向があります。症状が発生した段階では謝絶になりませんが、診察を受けて投薬された段階だと、高確率で謝絶されますね。
それと症状ではありませんが、刺青(タトゥー)が入っている人も、保険の加入を謝絶される可能性があります。刺青によって、潜伏期間が長く治療が困難なC型肝炎の発症が懸念されるからですね。
5.まとめ
- 告知義務を違反すると、保険金・給付金が支払われず、保険料が徴収される可能性がある
- 生命保険の加入時に気を付けるべきは、風邪・高血圧・過労の症状
- うつ・過度の睡眠不足・更年期障害・喘息・刺青(タツゥー)も要注意
保険に加入しておいて、告知義務違反だからって保障されなかったら悲惨です。
そんな事態は絶対に避けるべきでしょう。
告知に関係する症状に気をつけながら、損をしないように保険を選びたいものですね。