初めて生命保険に入るシーンは、大方の人が社会人になった時だと思います。ですが、本当に生命保険は必要なのでしょうか?社会人になったらどのような保険の保障内容にすべきなのか、20代で本当に必要な保険は何なのかを詳しく見ていきましょう。
それでさ、「僕も昔はおばちゃんに言われるがまま生命保険に入ったもんだよ」なんて答えちゃったけど、まずかったかな?
どう答えてたら良かったのかな……。
目次
1.社会人になったばかりの人の保険相談が増加傾向
まず、知っておいてほしいのですが、20代の生命保険加入率は約20年の間に大きく低下しています。
- 20代の生命保険加入率
1996年 |
2013年 |
|
男 |
63.8% |
52.9% |
女 |
66.1% |
57.3% |
「入っても得にならないように思えるから」
「まだ健康だから必要ない」
「高い保険料は払えないし、でも掛け捨てはもったいない気がして嫌だから」
「単純に支払うお金がない」
これらの意見が、20代の人々が生命保険に入らない多くの理由となっていますね。
若者が生命保険に入らない背景には、非正規社員の増加や所得の低下があります。限られた収入をムダなところに使いたくないと思う気持ちが大きいところなのでしょう。
また、そういった若者は圧倒的に結婚している割合が低いため、ますます生命保険離れが起きているのが現状ですね。
ですが、その一方で、保険の相談に来る若者は増加傾向にあります。
少ない収入からムダな出費を避けるため、保険が本当に自分にとって必要なのか、若者も真剣に考えるようになってきたからだと言われていますね。
昔に比べて、保険商品自体の種類が格段に増えています。ライフスタイルやニーズの多様化に伴って、保険商品も細分化されたからですね。
そんな中、自分に合った保険だけを選択して余計な保険料を省こうと、プロの無料相談を利用して、若い世代は自ら情報を取りに行っているんです。
2.生命保険のおばちゃんの言うことを信じてはいけない!
そこで問題になるのは生命保険会社ですね。若者の加入率が下がっている現状では、売り上げは下がってしまいます。そうなると、より利益が出やすい自社商品で売上を取り戻そうとしてくるんです。
トータルして支払った保険料よりも、保障金額が低い保険商品なんて山ほどありますよ?保険の知識に乏しい新社会人なんて、ねぎを背負ったカモみたいなものです。
「社会人になったのだから、しっかりと生命保険に入って責任を自覚しないと」
「同じ新社会人の誰々さんも加入している」
「給料の10分の1に満たない保険料なら支払えるでしょ」
「結婚するまでは受取人をご両親にしておいて、ご結婚されたら奥様(旦那様)に変更すれば問題ない」
受け取った保険の設計書は、結局どんな内容なのか全然わからなかったよ。
このくらいの保険料なら何とか支払えるかな?って思ったぐらい。
このように言葉巧みに、保険会社が儲かるような生命保険に加入させようとしてくる保険の営業は少なくないですね。当人が本当に生命保険を必要としているのか、必要になっていくのかを考えずに。また、大切な保障の内容や質、保障期間、さらには保険料の支払期間について詳しく説明せずに。
終身保険とうたいながら保険料を支払い終わった時から保障金額が100~200万円と極端に少なくなる定期保険特約付終身保険や、ろくな老後資金が貯められないのに保険料ばかりかさんで終身保障が何もないアカウント型保険などを勧めてくるのが良い例です。
これらの商品を「あなたのためになるのだ」とわがもの顔で勧めてくるのに、総額でいくら保険料を支払うのかをしっかり説明してくれないのは、どうなんでしょうね?
保険会社の全部が全部、信用できないわけではありませんが、このような自社の利益を優先するような商品を勧めてくる営業は多いということを覚えておきましょう。
3.新社会人になったら、どんな保障内容を検討すべき?
では、新社会人にはどのような保障内容を検討すべきかについて、詳しく見ていきましょう。
3-1.独身なら大きな保障は必要なし、最低限の医療保障で十分
新社会人になったばかりで、独身なのであれば特に大きな保障は必要ありません。無理をしてまで生命保険に加入しなくても大丈夫です。
最低限、病気やケガをした時に保障が出る医療保険があれば十分という見方もあります。病気やケガで働けなくなると、その分収入が減ってしまいますので、入院費や手術費分はカバーしたいという考えがあるからですね。
若い頃は病気やケガになりにくいですし、治りも早いです。入院日額10,000万円の給付金や、先進医療やがんなどの特約付きといった保険は、場合によっては保障内容が余剰な可能性が高いですね。日本は社会保険も充実していますので、若いうちからそこまで高い保険料を支払うこともないでしょう。
もちろん、がん家系だったりもともと体が弱かったりと、若いうちから医療保障を手厚くしておいた方が良い人もいます。個人の状況に応じて医療保険を選ぶようにしましょう。
万が一死亡してしまった場合に、少なくとも葬儀代は保障が欲しいと考えるのであれば、少額の死亡保障金が付く生命保険にも加入しても良いですね。
3-2.貯蓄型保険はライフスタイルと要相談
貯蓄型保険は収入やライフスタイルと要相談ですね。早い段階で老後資金を備えておきたいと考えるのなら、加入するのも良いと思います。
保険料の少ない定期保険(掛け捨て型)に入り、更新の段階で貯蓄型に切り替える方法もあります。ある程度の期間が過ぎれば貯蓄や収入が上がりますので、保険料を高くしても生活を圧迫するほどの負担にならないですからね。
若いうちは収入と貯蓄が少ないので、保険料はできるだけ低く設定しておいた方が良いです。生活が苦しくなるような金額を保険に費やす必要はありません。
保険はあくまでも不安をなくすためのものなので、毎月の保険料が原因となって日常生活でお金の不安が生まれてしまっては元も子もないですよ。
また、貯蓄型保険には回さず、個人で貯金するのも一つの手です。どの選択が合っているのかは、個人の状況によって本当にケースバイケースです。一概には言えません。なので、自分の生活環境や今後の生き方を踏まえて、よく考えてから決めましょう。
4.保険は初めが肝心!わけもわからず加入すると大きな損に
保険は最初が肝心です。保険屋さんに勧められた商品だからといって、内容も良くわからないまま加入してしまうと、高い確率で後悔しますよ。
とはいっても、社会人になりたての頃なんて、ろくに保険の知識なんてないし、そんな調べてる暇もないでしょ。
それもそうですね。
そういった場合は、複数の保険商品を扱う保険代理店のFP(ファイナンシャル・プランナー)に無料相談をすると良いですよ。保険のプロであり、お金のプロでもあるFPは、保険の知識がない人にとってはすごく頼りになります。家計の状況をしっかり加味して相談に乗ってくれますからね。
最近だと、ネットで簡単に申し込めますし、自分が希望する場所までFPの人が来てくれて相談できますよ。
手続きなんかも全部やってくれますから、保険会社と何度も連絡を取り合う手間もかかりませんし、何よりも複数の会社から保険商品を比較してくれて、自分に合ったものを紹介してくれるFPは心強いです。
特定の保険屋だと、自社の保険商品を売りたい気持ちが入ってしまって、こちらの都合や家計状況なんかが二の次になりがちですからね。
5.まとめ
- 最近の20代は自ら保険の情報を取ろうとしているので、保険相談が増加傾向にある
- 特定の保険屋の営業は、自社の商品を売り込みたい気持ちが強いので、自分に合わない保険を勧められるリスクがある
- 新社会人になったら、最低限の医療保障を検討すべきで、死亡保障や貯蓄型保険は絶対に必要というわけではない
- わけもわからないまま保険に加入することは避けて、一度専門家に相談した方が良い
このままじゃ僕の後輩は良く理解もせず生命保険に加入しちゃうよ!
若いうちはただでさえお金がないんですから、ムダに保険料に使う必要なんてないです。
後輩にはちゃんと考えるように伝えておくよ。
それでもわかんないようなら相談に行きな、ともね。