海外留学をする際の留学保険。「ケガ・病気はしないだろうから必要ない」と思っていませんか?
緊急一時帰国などのケースもふまえ、安心して現地生活を送るためには、留学保険は必須です!
とはいえ、1年ほどの長期滞在となると保険料もかさむため「いいものを選びたい!でも、どれを選べばいいかわからない…」と悩む方も多いですよね。
そこで今回は、ドイツへの留学経験があるトラベルライターが、賢い留学保険の選び方と、お得な商品を紹介します!
留学保険のおすすめな選び方3つ
留学保険の選び方①「キャッシュレス提携病院」があるか?
留学保険を選ぶ際にまず注意したいのが、滞在する町にキャッシュレス対応の提携病院があるか?という点。
その理由は、キャッシュレス対応の提携病院であれば、治療費の請求が日本の保険会社に行くため、自身で支払いをする必要がないからです。
逆にキャッシュレス対応していない病院では、場合によっては10万円以上もの治療費を、自分で立て替えなければなりません。
海外は、怪我や病気で病院にかかった際の治療費がかなり高額です。後日お金が戻ってくるとしても、使えるお金が限られている留学生にとって、こうした出費はかなりの痛手……。
留学保険では、メリットが大きいキャッシュレスをおすすめします。
留学保険の選び方② 補償内容は充実しているか?
留学で1年以上長期滞在する際、特に重視したいのが「医療・救援費用」「歯科治療費」「緊急一時帰国費用」の3つの補償です。
おすすめの補償1「医療・救援費用」
半年〜1年の長期の留学では、数日間や数週間の海外旅行に比べ、現地で病院にかかる機会がぐっと増えます。
だからこそ、医療・救援費用の補償は特に重視したいところ。
例えば地域にもよりますが、アメリカでは、初診料だけでも日本円にして1万円以上、救急車を呼ぶと8万円~10万円以上かかるとも言われています。
さらに大きな手術や長期入院をした場合、保険料は1000万円を超えることも……!
海外は治療費が高額になりやすいからこそ、治療費の補償内容はしっかりチェックしましょう。
おすすめの補償2「歯科治療費」
留学保険の治療費補償では歯科治療分はカバーしていないため、注意が必要です。
長期留学の際には、急に歯が痛くなったときなどに備え、「緊急歯科治療補償特約」を付帯すると安心。
ただし、歯科治療費用の補償は、補償開始日から90日以降に発症した場合のみに対応している保険会社がほとんど。
そのうえ、補償が治療費の50%までだったり、1年間で総額10万円までと限度額が決まっていたりと、制約が多いのも事実です。
歯科費用の補償はお守り程度に考え、留学先で歯医者に行かなくて済むよう、留学前に歯の治療や検診を済ませることをおすすめします。
おすすめの補償3「一時帰国費用補償」
留学中、日本にいる家族に万が一の事態が起こらないとも限りません。
「緊急一時帰国費用補償」では、留学中に親族が危篤になったり死亡した際、一時帰国に必要となる往復航空券費用や、宿泊費用の補償を受けられます。
滞在する都市や時期にもよりますが、例えば8月のヨーロッパ便で一時帰国する場合、往復で20万円以上することも。
旅費が捻出できずに大切な家族の最後に立ち会えないことほど、無念なことはありません。「緊急一時帰国費用補償」は付帯することを強くおすすめします。
留学保険の選び方③ アパートを借りるなら「生活用動産補償」もチェック!
もし留学先でアパートに滞在する予定なら、「生活用動産補償」が付帯できるプランにすると安心です。
この補償は、留学中に携行している持ち物および、居住施設とみなされるアパートでの損害をカバーしてくれる補償。
似たような補償に「携行品損害補償」もありますが、「携行品損害補償」では、寮やホームステイ先などの「宿泊施設」で起きた身の回り品の損害をカバーします。一方で、「居住施設」であるアパートで発生した損害には適応されません。
例えば、滞在先でノートパソコンが盗まれた場合、ホームステイや寮でなくアパートに住んでいたら、「生活用動産補償」を付帯していない限り補償がされないのです。
「生活用動産補償」は、一般的に現地で追加加入できません。最終的に現地でアパートを借りたいと考えている方は、保険加入時から「生活用動産補償」も付帯するようにしましょう。
【徹底比較】おすすめの留学保険ランキング5選
AIG損保「海外留学保険」
AIG損保が提供する留学保険の最大の魅力は、キャッシュレス治療に対応している病院との提携網の大きさです。
キャッシュレス治療を受けられる病院は、アメリカを中心に世界55万ヵ所以上。特に医療費が高額なアメリカでキャッシュレス対応の病院が多いのは、かなりポイントが高いです。
しかも「インフィニティプラン」であれば、治療や救援費用は無制限。緊急な手術や、その後長期入院する場合でも安心です。
歯科治療費用は、虫歯をはじめ歯周病での治療、抜歯まで幅広く対応。治療費の50%かつ最大10万円が補償されます。
ジェイアイ損害火災「t@biho たびほ」
ジェイアイ損害火災の「t@bihoたびほ」は、保険料を抑えたい人におすすめの留学保険です。
1年の留学の場合、「保険料節約プラン」では渡航先が北米・ハワイなら保険料が19万9000円、ヨーロッパになると15万9000円。中南米やアフリカ以外の渡航先では保険料が20万円を切るなど、ネット専用の強みを活かした料金の安さが目を引きます。
さらに保険料を抑えたければ、「カスタマイズ」プランで必要な補償のみを選ぶのも良いでしょう。
どのプランで、も緊急一時帰国費用や歯科治療費用といった補償をオプションで付帯することが可能です。
東京海上日動「海外留学の保険」
東京海上日動の留学生保険では、世界80都市以上にある提携病院でキャッシュレスサービスを受けることができます。
治療・救援費用の補償が無制限であるほか、何かあった際には24時間対応の日本語電話サポートも受けられるので心強いです。
1年間の留学の場合、基本プランであれば保険料は23万円から。生活用動産補償や緊急一時帰国費用の補償はオプションで付けることができます。
アパート暮らしを考えている人なら注目したい「生活用動産補償」については、補償額を40万円から100万円のあいだで設定可能です。
エイチ・エス損保「留学・ワーホリセットプラン」
エイチ・エス損保の「留学・ワーホリセットプラン」は、提携医療機関でのキャッシュレス治療や日本語による24時間サポートセンターといった充実したサポートが魅力。
帰国後もスーツケースやスマートフォン、カメラの修理サービスを提供してもらえるなど、留学が終わった後でも手厚い補償が受けられます。
「生活用動産補償」があるのも嬉しいポイント。
歯科治療は保険期間が6ヶ月以上の場合に付帯されるほか、緊急一時帰国費用は、期間が3ヶ月以上ならオプションで付帯可能です。
損保ジャパン日本興亜「留学・ワーホリ保険」
損保ジャパン日本興亜の留学保険は、他社に比べるとやや高めの料金設定ですが、その分充実した補償やサービスを受けられます。
病気やケガ、賠償責任や生活用動産の補償に加え、留学生の扶養者が死亡したケースなどに、その後の留学費用を補償する「留学生継続費用」まで完備しているのが特徴。
突然の病気やケガ、飛行機の遅延など思いがけないアクシデントへの素早い対応が好評で、初めての海外留学でも心強い存在になってくれそうです。
留学保険のおすすめ比較表(保険期間1年までの場合)
商品名 (契約タイプ) |
金額 目安 |
キャッシュレス 提携病院 |
治療・ 救援 費用 |
緊急 一時 帰国 費用 |
AIG損保「海外留学生保険」(TP4) |
29万1800円 |
対応(世界55万ヵ所以上の病院) | 無制限 | オプション 最大100万円 |
東京海上日動「海外留学の保険」(S3) | 18万6120円 | 対応(世界80都市以上) | 3000万円 | オプション 最大100万円 |
ジェイアイ損害火災「t@biho たびほ」 |
19万9780円 | 対応(海外300ヵ所以上の病院) | 3000万円 | オプション 最大100万円 |
エイチ・エス損保「留学・ワーホリセットプラン」(A81) |
26万9430円 | 対応 | 無制限 | オプション 最大100万円 |
損保ジャパン日本興亜「留学生・ワーホリ保険」(K82) | 52万6260円 | 対応 | 無制限 | オプション 最大100万円 |
留学保険Q&A
安いことでおすすめの留学保険は?
とにかく金額を安くしたい方におすすめなのは、東京海上日動とジェイアイ損害火災が提供している留学保険。
プランによっては、1年間の留学で保険料が20万円以下になる商品があります。
金額が安いと、その分補償がしっかりしているかどうか気になりますよね。
補償面としては、20万円以下のプランにおける治療・救援費用の補償で、3000万円(プランによっては1000万円)をカバーしています。
3000万円では不安という方は、あと数万円プラスして補償が無制限になるプランにすることも検討してみましょう。
海外旅行保険と留学保険の違いは?
留学保険が海外旅行保険と異なるのは、海外旅行保険の補償内容に加えて「生活用動産保障」や「緊急一時帰国費用補償」、「留学生継続費用補償」といった長期滞在で起こりうる緊急事態への補償が付帯されていることです。
逆にこれらの補償は、一般的には保険期間が3ヶ月以内となる場合は付帯できません。
留学保険に入らないのはアリ?
決して安くはない留学保険ですが、留学の際には、万が一に備えて加入することを強くおすすめします。
「選び方」の項目で紹介したように、海外は医療費が高額。また、いつ家族に不幸が訪れ、緊急で一時帰国をしないとも限りません。
仮に一度も補償を請求しなかったとしても、保険に加入しているという安心感はかなり大きいです。
一方で、留学先や取得するビザの種類によっては、留学保険に入る必要がない場合もあります。
例えば、筆者が留学していたドイツでは、学生ビザを取得する際に日本の保険会社の保険は認められておらず、ドイツの保険に加入しなければなりませんでした。
この様な場合は日本の保険が無駄になってしまうため、入る必要はありません。
現地で保険に加入するまでの期間(長くても1ヶ月ほど)をカバーする海外旅行保険に入っておけば十分でしょう。
ビザに必要な保険の条件は、滞在する国やビザの種類によって変わってくるので、留学が決まったら早めに調べるようにしてください。
おすすめの留学保険まとめ
留学保険を選ぶ際、特に意識したいポイントは次の2点。
- キャッシュレス提携病院が滞在する都市にあるか
- 医療費や緊急一時帰国費用の補償が充実しているか
- (アパート滞在の場合のみ)生活用動産補償があるか
滞在期間が長くなると保険料も高額になりがちですが、東京海上日動やジェイアイ損害火災など、プランによっては1年間で保険料を20万円以下に抑えることも可能です。
とはいえ安いプランでは医療・救援費用が3000万円の商品が多いので、「3000万円で十分か、数万円高いプランで無制限にするか」という点はしっかり吟味したいところ。
場合によっては手術や入院で数千万円かかることもあります。
医療費の補償に関しては、慎重に検討してみてください!