お腹の子が生まれる過程で動くお金は、大きなものです。
出産は考えているけど、かかるお金のことが心配という人は少なくないでしょう。
出産費用はどれくらいなのか、経済的な支援は受けられるのか、つか夫も気になっているようです。
そんな疑問を持つつか夫に、出産費用の平均と出産育児一時金という公的制度を、節子は説明するみたいです。
これから妊娠・出産を考えている、または今まさにお腹に命を宿しているご夫婦は必見です
近い将来の話だと考えていますので、徹底的に調べてありますよ。
出産にかかる費用から、その際に受けられる経済的な公的支援まで。
僕もさ、僕たちにとって妊娠や出産は近い将来の話だと思っているんだ。
それで、今のうちにお金の面を知って備えていきたいなって。
いざとなって、お金の心配なんてしたくないしね。
だから、僕に節子の知っていることを教えてくれない?
つか夫さんにも知っておいてもらいたいなと思っていたので、聞いてもらえて嬉しいです。
では、出産費用や42万円が支給される出産育児一時金などについて、説明しますね。
目次
1.出産までにかかる費用は100万円?
人によって差は大きいですが、およそ50~100万円と考えていただけたら良いと思います。
1人とは限りませんよ?双子であったり、三つ子であったり、はたまた五つ子だったりする可能性もあります。つか夫さんは子どもを何人授かりたいですか?
賑やかな家庭を築きたいから5人ほど……って僕の給料でそんなに養えるのかな……。
賑やかな家庭、いいですね。
話は戻りますが、出産にかかる費用は大きく4つに分けられます。
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はい、そうです。妊娠期間中に欠かせないのが妊婦検診です。1回の検診で5,000~8,000円ほどかかり、特別な検査の場合には1万円を超える場合もあります。
病院や体調、妊娠週数によって若干の異なりはありますが、だいたい月1回、臨月になると週1回のペースで妊婦検診はありますね。なので、妊婦検診は一般的に合計14回ほどと言われ、合計で10万円ほどかかります。
まさに、ちりも積もれば山となる、だね。
それで、出産準備用品というのは?
出産準備用品は主に妊婦さんが必要とする道具類のことです。妊娠中はお腹がどんどんと大きくなるので、それに合わせた衣類が出産準備用品にあたります。
他にも、お産用ナプキン、母乳パッド、つわり対策グッズなどもこれにあたり、必要に応じて購入することになるでしょう。
出産準備用品は、全体的に5万円以上かかると言われています。
妊娠中は普段と状況が変わるわけだから、マタニティグッズはもちろん、少しでも生活がしやすくなるような用品は必要不可欠だね!
それとは別に、生まれてくる子のためにベビー用品・育児用品も購入しなくてはなりませんよ。ベビー服におむつやミルク、ベビーカーやチャイルドシートなどの高額なものも揃える必要があります。
ベビー用品・育児用品には10万円以上かかるとされています。
ベビー用品・育児用品は出産後の話かと思っていたけど、出産前に揃えることを考えたら、出産までにかかる費用に含まれていてもおかしくないね。
そうですね。そして一番お金がかかるのが出産費用です。
2.出産費用の平均は約49万円
ここでいう出産費用とは、産院での入院・分娩費のことです。
出産費用の平均は約49万円と、平成26年度の厚生労働省保険局の発表によりわかります。妊婦検診費用や出産準備用品の費用、ベビー用品・育児用品の費用に比べて高くなっていますね。
2-1.都道府県別で見る出産費用の平均
出産費用の平均を都道府県別で見てみましょう。
都道府県別出産費用(平成24年度) |
|||||
都道府県 |
平均値(単位:円) |
都道府県 |
平均値(単位:円) |
都道府県 |
平均値(単位:円) |
北海道 |
427,536 |
石川県 |
456,037 |
岡山県 |
479,016 |
青森県 |
424,054 |
福井県 |
453,697 |
広島県 |
475,611 |
岩手県 |
450,152 |
山梨県 |
477,026 |
山口県 |
426,973 |
宮城県 |
517,394 |
長野県 |
492,076 |
徳島県 |
457,491 |
秋田県 |
439,574 |
岐阜県 |
474,691 |
香川県 |
434,345 |
山形県 |
486,012 |
静岡県 |
481,314 |
愛媛県 |
441,567 |
福島県 |
461,714 |
愛知県 |
497,657 |
高知県 |
415,006 |
茨城県 |
496,986 |
三重県 |
489,252 |
福岡県 |
459,253 |
栃木県 |
525,763 |
滋賀県 |
471,587 |
佐賀県 |
430,704 |
群馬県 |
492,802 |
京都府 |
473,349 |
長崎県 |
446,221 |
埼玉県 |
511,750 |
大阪府 |
492,944 |
熊本県 |
411,449 |
千葉県 |
492,400 |
兵庫県 |
493,542 |
大分県 |
422,215 |
東京都 |
586,146 |
奈良県 |
479,864 |
宮崎県 |
420,879 |
神奈川県 |
534,153 |
和歌山県 |
443,955 |
鹿児島県 |
426,711 |
新潟県 |
486,386 |
鳥取県 |
399,501 |
沖縄県 |
414,410 |
富山県 |
457,650 |
島根県 |
453,170 |
全国 |
486,734 |
※平成26年度「出産育児一時金について」 厚生労働省保健局
都市郊外で物価が高いことや、西日本に比べて産科・産婦人科が少ないことが影響しているからなのかな、関東周辺の出産費用が高いように感じるよ。
2-2.分娩方法や入院の内容によって出産費用は変化する
出産費用は分娩する方法や入院の内容によって大きく異なります。
例えば、無痛分娩は自然分娩よりも麻酔を使用する分費用がかさみますし、帝王切開による分娩は産後の入院日数が自然分娩の場合よりも長くなるため費用が高額になりがちです。
入院の内容で言いますと、入院する部屋が個室か大部屋か、入院中にエステ・マッサージ・食事などの追加サービスを受けるかどうかなどによって、値段が大きく変化します。受けるサービスによっては100万円を超えることもあるみたいですね。
分娩する方法も入院の内容も人によって多岐にわたるわけだし、そりゃ費用も変わるよね。それにしても、入院中のサービスによっては100万円を超えることもあるのかぁ……。
どんな内容なのか、ちょっと気になるね。
食事が豪華だったり、エステやリフレクソロジーが付いていたり、個室が完備されていたり、いろいろとあるみたいですよ。
あくまで参考ですが、個人の産院では付随サービスが多いため、値段も高くなりがちです。逆に総合病院では大部屋が多いため、値段が安くなりがちのようです。
病院によって、サービスの内容も部屋の様相も異なりますので、事前にチェックしておいた方が良いですね。
3.42万円が支給される出産育児一時金
出産は病気ではないため、何らかのトラブルが発生して医療処置が必要になった場合以外ですと、基本的に健康保険が適用されません。
はい。出産費用は高額ですので、健康保険が適用されないとなると、困っちゃいますよね?そこで、少しでもその費用を抑えるための公的制度を紹介します。
その通りです。その制度こそ、出産育児一時金です。
3-1.出産育児一時金の内容と条件
出産育児一時金とは、出産した場合に1児につき42万円が支給される制度です。
出産された胎児数分だけ支給されますので、双子の場合には2人分が支給されます。出産育児一時金が支給される条件は、健康保険に加入していること(本人・扶養家族)と、妊娠4ヶ月(85日)以上で出産することです。
出産育児一時金は健康保険の適用外となる出産費用を助成してくれるんですよ。
42万円が支給されるのなら、出産費用の大半がまかなえる!
それで、この出産育児一時金はどうやって受け取るの?
はい、ここからはそのことについて説明します。
3-2.出産育児一時金の手続き
出産育児一時金には2通りの手続き方法があります。
3-2-1.直接支払制度・受取代理制度を利用する場合
直接支払制度と受取代理制度は根本的にどちらも同じで、私たちに代わって病院側が保険機関と出産育児一時金のやり取りをしてくれます。
まさしくその通りです。
この2つの制度の違いは、手続きと手数料にあります。
直接支払制度(ほとんどはこちら)の場合
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直接支払制度の場合は、同意書に署名するのみなので、手続きは非常に楽ですね。ですが、面倒な手続きを病院側が引き受ける代わりに、その分手数料が出産育児一時金から差し引かれます。
ちなみに、出産費用が42万円より安く済んだ場合、差額を保険機関に申請するとその分の金額を受け取ることができます。
受取代理制度(小規模届出医療機関等に限られる)の場合
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受取代理制度の場合は、直接支払制度よりも手続きが多くなっています。ですが、こちらが保険機関に書類を送るという手続きを行うため、病院側へ手数料を支払わなくて済み、直接支払制度よりも金額が安くなります。
ただ、受取代理制度を導入している病院は少なく、ほとんどの場合は直接支払制度になると思います。
3-2-2.産後申請方式を利用する場合
産後申請方法を利用する場合、自分たちで保健機関と出産育児一時金のやり取りをします。
つか夫さん、鋭いですね!産後申請方式は名前の通り、産後に申請を行うので、退院時に出産費用をこちらで支払う必要があります。つか夫さんの言った通りですね。
退院後、産後申請用紙、産院と交わした合意書、分娩・入院費の領収書を揃えて、加入している健康保険へ提出すると、出産育児一時金を受け取ることができます。
簡単で手続きの漏れを気にしないで済むのは直接支払制度だね。
4.出産育児一時金以外の公的補助制度
出産育児一時金以外にも出産に関連した費用を節約してくれるお得な公的制度を紹介します。
4-1.妊婦健診費の助成金
妊婦検診でかかる費用に健康保険は効きませんが、多くの自治体では費用を負担してくれます。
区市町村に妊娠届を提出すると、妊婦健康診査の受診票が交付されますので、それを病院の受付に提出します。そうすることで、自治体の負担金額が差し引かれた差額分だけを、病院の窓口で支払う形になります。
そうですね。全額負担の自治体もあれば、一部のみ負担の自治体もあります。自治体によって負担金額は違いますので、事前に確認しておとくといいですよ。
4-2.出産手当金
出産手当金とは、産休中に健康保険からお金が支給される制度です。
仕事をしていて、勤務先の健康保険に加入していることが条件で、正社員でなくても受け取ることができます。
ただ、加入している健康保険によっては出産手当金の受給する資格がないことがあります。こちらも事前に確認しておくべきでしょう。
支給される金額は日給の3分の2×産休日数です。
4-3.育児休業給付金
育児休業給付金は、育児休業の期間中に、経済的な支援を受けることができる制度です。
僕も子どもが生まれたら取る予定だよ!
確か育児休業給付金は、雇用保険に加入していて、11日以上働いた月が
育児休業を開始する前の2年間で12か月以上あることが条件だよね。
だからパートでも契約社員でも条件を満たせばもらえたはず!
ピンポイントで詳しいですね。
もらえる金額は、最初の180日までが通常賃金の67%、その後は50%だね。
産後57日目から、1歳になるまでの期間で休業ができ、育児休業給付金がもらえるから長期間支給されるわけだ。
是が非でも育児休業を取らないとだね!
ちなみに、保育園に空きがなく待機児童状態が続く場合には、赤ちゃんが1歳6か月になるまで育児休業期間を延長することができますよ。
産休や育休に関しては、厚生労働省の「あなたも取れる!産休&育休」という厚生労働省のページを参考にすると良いと思います。
5.まとめ
- 出産費用の平均は約50万円
- 出産育児一時金とは、1児につき42万円が支給される制度
- 出産育児一時金には、直接支払制度・受取代理制度と産後申請方式の2通りある
- 出産育児一時金の他にも、妊婦健診費の助成金・出産手当金・育児休業給付金といったお得な公的制度がある
公的制度でカバーできない費用については、用意しないといけませんけどね。
僕は、もしも節子が妊娠したら、出産に専念してもらいたいって考えてる。
入院の際には、負担のかからない良い環境とサービスをつけたいともね。
そういったことにはちゃんとお金を使いたいって思うよ。
嬉しいです、つか夫さん。
では、頼りにしていますね?