更新型保険が一番損をする?保険の更新に潜むデメリットとは

更新型保険 デメリット

保障期間が決まっていて、その期間の満了時に更新が必要となる更新型保険。この更新型保険、実は結果として大きな損をもたらす可能性が高いんです。保険の更新には、いったいどのようなデメリットがあるのでしょうか?

つか夫

うーん、生命保険って保険料が高いよなぁ。
出来る限り料金を安くしたいし、ここはやっぱり更新型保険を選ぶべきか。

節子

ちょっと待って下さい、つか夫さん。
更新型保険はやめておきましょう。

つか夫

え、なんで?

節子

更新型保険は保険料が安いのでお得感がありますけど、実は損をもたらす可能性が高い保険なんですよ。

つか夫

え、まじで!?
なんでなんで!?

節子

更新型保険には、落とし穴となる仕組みが存在するからです。
ちょっとその仕組みについて説明しますね。

1.更新型保険は更新の度に保険料がグンとアップする

更新型保険 更新 保険料 上がる

更新型保険は、保険料が安く設定されているのが特徴的ですよね?ですが、その一見してお得に見える料金設定こそ、私達がはまりがちな落とし穴なんですよ。

つか夫

落とし穴っていわれても、ピンと来ないよ!
どういうことなのさ!

更新型保険は保障期間があらかじめ決まっていて、その期間の満了時が来たら、契約を更新するという仕組みになっていますよね?そして、契約を更新すると保険料が上がります。保障期間の長さにもよりますが、2倍以上も保険料があがることも少なくありません。

この仕組みこそ、私たちが損をもたらす原因となっているのです。

2.保険の更新に潜むデメリット!更新型保険は払込累計保険料が高い

更新型保険 払込累計保険料

つか夫

確かに更新すると保険料は高くなるけど、もともとの保険料が安いんだから問題ないんじゃないの?

ところが、そうもいかないのが現実です。結論からいいますと、更新型保険の方が払込累計保険料が高くなるんです。

つか夫

払込累計保険料……?

要は、最終的に支払った保険料の総額が、更新型ではない保険よりも更新型保険の方が高くなるということです。

実際に、とある定期保険を例に挙げて考えてみましょうか。

いま、35歳の男性が、75歳までの40年間の死亡保障を得ようと、掛け捨て型のとある定期保険に加入しました。この定期保険は、1,000万円の死亡保障が付くもので、10年ごとの更新で保険料を支払うタイプ(短期払い)更新なしのタイプ(全期払い)があります。それぞれの保険料は以下のとおりです。

短期払いの場合
35歳から10年間の月額保険料……2,790円
45歳から10年間の月額保険料……4,810円
55歳から10年間の月額保険料……8,930円
65歳から10年間の月額保険料……20,830円

 

全期払いの場合
35歳から40年間の月額保険料……7,370円

 

短期払いの場合、10年ごとに更新があり、その度に保険料が上がっていきます。一方で、全期払いの場合は更新がないので保険料は変わりません。それぞれ、トータルでいくら保険料を支払うのか計算すると、以下のようになります。

短期払いの場合
2,790円×120ヶ月=334,800円
4,810円×120ヶ月=577,200円
8,930円×120ヶ月=1,071,600円
20,830円×120ヶ月=2,499,600円
334,800円+577,200円+1,071,600円+2,499,600円=4,483,200円

 

全期払いの場合
7,370円×480ヶ月=3,537,600円

 

短期払いの場合、払込累計保険料は4,483,200円。
前期払いの場合、払込累計保険料は3,537,600円。

その差は945,600円となります。

このように、更新型保険は一見して保険料が安く見えますが、実際は更新型ではない保険に比べて多くの保険料を支払うことになるんです。

つか夫

本当だ、最後まで計算するとこんなにも料金に差がでるんだね……。
945,600円って、車が一台買えちゃう値段だよ!

ここでは定期保険で例を挙げましたが、何の種類の保険であっても、更新型保険は、結局は他よりも高い買い物になってしまうんですよ。目先の保険料が安いので、更新する度に保険料がアップする仕組みに意識が行きにくい、というわけですね。

3.1年更新の短期保険の場合は損?それとも得?

更新型保険 1年更新

つか夫

じゃあさ、更新型保険を短期間だけ利用すればいいんじゃない?

そうですね、更新型保険を短期間だけ利用するのであれば、良いと思います。定期保険の中には、1年更新の短期保険があります。このような保険は、短期間の保障のために利用するなら、特に損することないでしょう。

ただ、それを乗り継いで長期間の保障を得るという場合だと、あまりおすすめはできませんね。ごく短期間で更新する保険であっても、更新型保険に変わりはありませんので、払込累計保険料は高くなりますよ。

長期的に保障が欲しい場合は更新型保険は損になる、ということですね。

4.契約更新時は保険を見直す良い機会

保険 更新 見直し

更新時は、保険を見直す良い機会です。このまま継続するか、他の保険を選ぶかを良く考えるべきですよ。

特に生命保険の場合、更新型保険ですと確実に払込累計保険料が高くなります。更新時に増える月々の保険料も1.5倍や2倍以上になりますので、収入によっては払い続けること自体が難しい場合もあるでしょう。支払いきれず、解約するはめになっては最悪ですね。

また、医療保険の場合は最新の保険の方が現代の医療事情に合っていることが多いです。古い医療保険ではカバーしきれない医療保障があるからですね。先進医療に対する手術費とかが良い例です。年齢によっても気にする病気は変わってきますので、安易に加入している保険を更新するのは危険ですね。

つか夫

でもさ、やっぱり他の保険に変えるのは抵抗があるなぁ。
今までの保険の方がなんか安心感あるし、それにこれまで支払ってきた保険料の分があるから、他の保険に切り替えるのはもったいない気もする……。

そう思う気持ちもわかります。ですが一番大事なのは、結果的に自分や家族が保険で損をしないことですよ。

自分の現状にそぐわない保障内容なら、更新したところでお金をムダにするだけです。保険料についても、保険を変えた方が今まで支払ってきた分を差し引いても結果的にお得なら、損する保険に加入し続ける意味はありません!

なので、更新時が近づいてきた段階で一度、プロに保険の見直しを相談することをおすすめします。年齢的にこのまま更新した方が良いのか、それとも他の保険に入った方が結果的にお得なのか、現在加入している保険の状況からベストな選択を判断してもらいましょう。

5.まとめ

  • 更新型保険は、更新時に保険料が一気に高くなる
  • 更新型保険は払込累計保険料が高い
  • 1年更新のような短期保険は、短期間だけの保障を求める場合は損にならない
  • 契約更新時は、保険の見直しをする良いタイミング
つか夫

更新型保険は保険料が安く見えるけど、長期的に見ると、更新しない保険よりもトータルの保険料が高くなるんだね。

節子

はい。長期的な保障を考えている場合、更新型保険はかなり損になります。
こういった落とし穴は、非常に気づきにくいものです。

つか夫

だから保険ってややこしく感じるんだよなぁ……。

節子

保険選びで迷った時は、こういった情報も余すことなく教えてくれる保険のプロに頼るのがおすすめですね。