子ども(学資)保険で教育資金を貯めるなら?チェックすべき5つのポイント

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教育資金を貯める子ども(学資)保険。実はこの保険、内容をよく理解せずに加入してしまうと、貯金よりもお金が貯まらないなんてことに。今回は、子ども(学資)保険の注意点について詳しく説明します。

つか夫

僕たちにも子どもができたことだし、やっぱり教育資金は子ども(学資)保険で貯めるのがベストかなー。

節子

うーん、状況によりけりですね。
この保険、ちゃんと活用しないと、普通に貯金するよりもお金が貯まらないですからね。

つか夫

え、そうなの!?

節子

はい。
内容をよく理解せずに加入すると、後悔しますよ?

つか夫

ちょちょちょ、ちょっとそこらへん詳しく教えて!

1.子ども1人にかかる教育費は1,000万円以上!

子ども1人 教育費

そもそもですが、子ども1人にかかる教育費がどのくらいするかご存知ですか?

つか夫

うーん、いくらくらいだろう。
公立や私立で金額は相当変わるだろうし、想像つかないなぁ。

幼稚園から大学まで、すべて公立だったとしても学費だけでだいたい750万円以上かかります。塾代などにかかるお金を考えると、1,000万円近くの教育費がかかることでしょう。私立に通うとなると、さらにお金が必要になりますね。

その中で、特にお金を必要とするのが高校卒業後の大学費用です。入学金・授業料、それぞれかなりの金額が必要になります。施設整備費が免除され、授業料が安い国立大学でも、初年度では約80万円、私立大学に至っては約120万円もかかります。4年間通うとなると、少なくとも300~400万円は事前に用意しておきたいところですね。

つか夫

う、教育費ってそんなにかかるんだ……。
じゃあ、もしも子どもが2人や3人いたとなると……。

その分、教育資金を用意しないといけません。これだけの金額を用意するのは、一筋縄ではいかないでしょう。貯金が苦手な人なら、なおさら貯めることが難しいと思います。

そこで登場するのが、子ども(学資)保険です。

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2.そもそも子ども(学資)保険とは?

学資(子ども)保険とは

子ども保険と学資保険は基本的に同じで、教育資金を保険料で積み立てるものです。主に、一番お金がかかる大学の入学時を満期として、保険料を支払います。満期が来れば、満期保険金を受け取れる仕組みですね。

万が一、保険料を支払っている最中に親が亡くなってしまっても、満期保険金が保障される点が、大きな特徴ですよ。

普通に貯金するより、保障が付いたり銀行よりも金利が高かったりするメリットがあるため、教育資金をつくる手段として多くの人に用いられています。

つか夫

デメリットはないの?

デメリットは、満期が来るまでは支払ったお金を自由に使えないことですね。途中で解約してしまうと、元本割れを起こしてしまいますので。

また、商品によっては、保障が充実している代わりに、満期保険金が支払った保険料の総額よりも低いことがあります。

流動性の低さと元本割れの可能性がある点が、学資保険のデメリットと言えますね。

3.子ども(学資)保険の3つの種類とそれぞれの特徴!

学資(子ども)保険 種類

学資保険は、基本的に3つの種類に分けられます。貯蓄型学資保険、保障型学資保険、そして学資目的に使う終身保険の3種類です。

3-1.貯蓄型学資保険

貯蓄型学資保険は、支払う保険料の総額よりも満期保険金の方が高くなるタイプのものです。とにかく貯蓄に比重を置いているのが特徴ですね。

貯蓄に比重を置いている分、医療保険特約が付いていなかったり、毎月の保険料が高くなったりしています。このタイプの学資保険では、支払った保険料よりも、どれだけ満期保険金が多くもらえるのかが重要になります。

3-2.保障型学資保険

保障型学資保険は、貯蓄機能にプラスして子どもや夫に対する保障が充実しているタイプのものです。特約で多くの保障が付いているのが特徴ですね。

保障が多い分、満期保険金が少なかったり、必要以上の特約で保険料が高くなったりする側面があります。このタイプの学資保険では、満期保険金が元本割れする分、特約の保障でしっかりとお得になれることが重要です。

3-3.学資目的に使う終身保険

終身保険の払込期間を10年や15年と短期にすれば、学資目的で利用することができます。この場合、払込期間が過ぎた後に解約するかどうかは自由なので、教育資金を他の方法で準備することができれば、解約返戻金を死亡保障や老後資金に回すことができる特徴を持ちます。

払込期間を短期に設定すると、解約返戻利率が通常よりも高くなるので、効率良くお金を貯めることができます。特にドル建ての場合、円よりも解約返戻率が高くなるため、保険で賢く資産運用をしたい人が良く利用する手段となっています。

つか夫

今って相当円高だし、すごく良いタイミングなんじゃない?

そうですね。このタイミングを狙ってドル建て終身保険を利用する人は多いですよ。これは保険のプロも認めています。

ただ、払込期間が短期になる分、月の保険料は高くなっていますし、途中で解約すると元本割れを起こしてしまいますので、デメリットもありますけどね。

学資目的で終身保険を利用するのであれば、死亡保障金を子どもの教育費がまかなえる程度に増額することと、子どもが大学に入学する時点に合わせて払込期間を設定することが重要になります。

4.子ども(学資)保険に加入する際は、5つのポイントをチェック

子ども(学資)保険 ポイント

では、実際に学資保険に加入する際に気を付けるべきポイントを説明いたしますね。

今から説明するポイントを良く確認しておかないと、学資保険に加入したのにも関わらず、充分な教育費を用意出来ずに困ってしまうなんてことになりかねませんので、注意してください。

4-1.現在加入している生命保険の保障内容を確認する

まず、学資保険に加入する前に、夫(妻が世帯主の場合はそちら)の死亡保険に不足がないかを確認しましょう

つか夫

ん、どういうこと?
学資保険に入れば、死亡保障だって付くんでしょ?
だったら、加入している生命保険を確認する必要なんてないんじゃ……。

いえ、それがそうでもないんですよ。
学資目的で終身保険を使う場合ならともかく、一般的な学資保険で付く死亡保障というものは、満親が亡くなって保険料が支払えなくなっても「満期保険金がちゃんともらえる」という内容です。

学資保険の満期保険金はだいたい300万円前後に設定します。つまり、少なくともその300万円は教育費に充てることができます。

ですが、一家の大黒柱が亡くなって手に入るお金が300万円では、到底1,000万円以上かかる教育費をまかなうことはできませんよね?なので、万が一に備えて、加入している生命保険の内容も確認しておく必要があるんです。

例えば、子どもが2人いて、学資保険は月1万5,000円、夫の死亡保険には1万円かけている家族がいるとしましょう。学資保険の満期保険金は400万円、夫の死亡保障は1,000万円だったとします。もしも夫が亡くなってしまった場合、それ以降は学資保険の保険料は支払うことはなく、満期が来れば400万円の満期保険金を受け取れます。死亡保険の1,000万円も。

ですが、子ども2人の教育費におよそ2,000万円ほどかかることを考えると、1,400万円だけでは足りませんよね?当面の生活費や夫の葬儀にかかる費用を考えたら、なおさらだと思います。

そう考えると、夫の死亡保障が明らかに不足しているため、学資保険にかける保険料と、死亡保険の保険料のバランスを整える必要があります。子どものことを大切に思うのなら、学資保険の前に、夫の死亡保険を重視した方が良いですね。

4-2.教育資金の貯め方は子ども(学資)保険で良いのか、確認する

教育資金は、学資保険以外でも貯めることができます

銀行口座で預金するも良し、一般財形貯蓄でも貯めることができます。難易度は高いですが投資信託で稼ぐこともできます。また、30歳未満の子や孫に教育資金を贈与する場合、1500万円までなら非課税になるため、祖父母を頼る方法もあります。

もちろん、これらと学資保険を組み合わせたやり方も検討できますので、まずは学資保険以外にも教育資金を確保できる方法はないか、確認すると良いでしょう。

4-3.子ども(学資)保険で優先する内容を確認する

学資保険には3種類あることを説明しましたね?

つか夫

貯蓄型・保障型、それに学資目的の終身保険だね。

その通りです。事前に優先すべき内容を決めておいて、学資保険の種類を選びましょう。優先したいのが保障か貯蓄かで、選択する学資保険は変化してきますので。

4-4.教育資金が一番必要になる時期を確認する

基本的に、一番教育費がかかる時期は大学入学時です。この時期にお金が入るようにするのであれば、子どもが18歳になるタイミングに合わせて、学資保険の満期を設定する必要があります。

タイミングを見誤ってしまうと、いざお金が必要になる時に満期保険金が降りず、途中解約して元本割れした金額を受け取ることになってしまいます。そうなってしまっては、純粋に貯金しておいた方がお金が貯まっていた、なんてことになりますね。

また、教育費は大学への入学以外でももちろんかかります。幼稚園・小学校・中学校・高校、それらの時期に必要になる教育費をどうやって確保するのか、そちらも念頭に置きながら学資保険を検討しなければいけません。

「学資保険に加入していれば、教育資金は全部まかなえるでしょう?」と勘違いしている人が時にいます。確かに大学入学時にかかる費用は最も多いといわれていますが、私立の幼稚園・小学校・中学校・高校、それに塾代でもたくさんのお金がかかります。学資保険だけですべてがカバーできるわけではないことを、忘れないでください。

ちなみに、早い段階(妊娠中や出産直後など)で学資保険に加入するのであれば、期間を10年に設定することをおすすめします。それと、子どもが10歳前後の段階で祝い金が発生する学資保険もおすすめです。

つか夫

え、なんで?

子どもが10歳になるまでは、比較的お金を貯めやすい時期になり、そこからは必要になるお金が増えるからです。実際に、小学校の高学年からは学校外での活動費が多くなります。中学受験をしてもしなくても、塾や習い事をさせることが一般的には多いですからね。

それに、短期で設定しておけば、満期が来た際に満期保険金を据え置くことができます。据え置いておいた分、金利が満期よりも高くなるので、お得になりますよ。終身保険であっても、解約返戻金をもらわずに寝かせておけば、ぐんぐん資金が増えていきます。銀行口座ではありえないくらいの金利の恩恵を受けることも可能です。

短期間に設定しておけば据え置きで資産運用できることを覚えておきましょう。

4-5.無理なく支払える保険料の金額を確認する

学資保険は、満期まで保険料を支払うことを前提とした保険商品です。途中で解約してしまうと、元本割れしてしまいます。それだけは絶対に避けるべきです。

つか夫

家計を圧迫しない保険料にすることが大事ってことだね?

その通りです。毎月の保険料が厳しくなって、支払えなくなるのでは本末転倒ですからね。加入当時は支払えると思っていた保険料でも、子どもが成長していくにつれて、お金の余裕はどんどん減っていきます。

保険料の金額を決める前に、必ず今後のマネープランを考えるようにしましょう。自分で行うのが難しい場合は、お金の運用をアドバイスしてくれるFPに相談することをおすすめします。最近ではインターネットで申し込むと、無料で相談に乗ってくれるところが多いので、活用しない手はないですね。

5.子ども(学資)保険では、加入の仕方に気を付けよう!

学資(子ども)保険 加入の仕方

学資保険は、とにかくバランスの悪い入り方をしている人が多い保険です。しっかりと活用すれば、教育資金を普通よりも多く、かつ保障も付けて貯められる魅力的な保険なのですが、いかんせん内容を良く理解していない人が多いです。

どのタイミングで教育費が必要になるのか、子ども1人にはどの程度の教育費がかかるのか、夫に万が一のことが合った時にはどれだけ保障金が必要なのか、満期保険金の金額やもらえる時期はいつにすべきかなどなど、事前に必ず把握しておいてください。

学資保険は、うまく活用できればメリットはたくさんありますが、間違った加入をすると、普通に貯めるよりもお金が手に入らない諸刃の剣となりますからね。

わからない点や不安に思う点は、きちんと保険のプロに質問してアドバイスをもらい、その上で加入を検討しましょう。

6.まとめ

  • 子ども1人にかかる教育費は1,000万円以上かかる
  • 子ども(学資)保険とは、教育資金を保険料で積み立てるもの
  • 子ども(学資)保険には、以下の3種類がある
    • 貯蓄型学資保険
    • 保障型学資保険
    • 学資目的に使う終身保険
  • 子ども(学資)保険に加入する際は、以下の5つのポイントをチェックすべき
    • 加入している生命保険の内容
    • 子ども(学資)保険に加入する必要性
    • 子ども(学資)保険で優先すべき内容
    • 教育資金が必要になる時期
    • 支払う保険料の金額の適正さ
  • 子ども(学資)保険に加入する前に、内容を必ず確認しよう
つか夫

どのタイミングで満期を設定するか、満期保険金が元本割れしないかどうかとか、注意しないといけない点が多いんだね。

節子

とりあえず学資保険に入っておけば教育費は何とかなるでしょ!なんて考えで、ろくに内容を把握しないまま加入しちゃだめですよ?
よくありがちなのは、余分な保障を付けすぎて、もらえるお金が元本割れしちゃうケースです。
保険で資産運用ができないなんて、本当に目も当てられませんよ……。

つか夫

そうなんだね……。
うーん、お金の話ってややこしいね、本当に。
まぁ、節子に任せておけば間違いないし、頼んだよマイハニー☆

節子

頼りない旦那だと嫌いになっちゃいますよ☆